かいぼりとは

ため池の水を抜き、堆積した腐葉土を流し出す維持管理作業。兵庫県はため池の数が日本一多く(約38,000ヵ所)、その半分以上(約23,000ヵ所)が淡路島にある。ため池は放置すると山から土砂などがたまって貯水量が低下するだけでなく、台風や大雨の際に決壊する恐れも出てくるため、農家は定期的にかいぼりを行い、ため池を維持管理してきた。しかし、近年は農業者の高齢化などにより、かいぼりが行われないため池が増加。

一方、海ではこの十数年、リンや窒素などの栄養塩不足が原因と見られる海苔の色落ちが深刻な問題に。かいぼりの際に川から海に流される腐葉土はこれらの栄養を豊富に含んでいることから、かいぼりの重要性があらためてクローズアップされるようになった。かつては海苔の網にかいぼりの泥がつくことで海苔の胞子が網に付着しないというトラブルもあったが、養殖技術が進んだ現在は、時期さえ考慮すれば問題ないという見方が強い。このような風潮の中、淡路島では地域の農業者と漁業者が連携し、ため池の適正な管理と豊かな里海の再生を促進するかいぼり行事が復活しつつある。

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